2009 Fiscal Year Annual Research Report
腎及び肝薬物トランスポータの発現制御機構の解明と個別化薬物療法への応用
Project/Area Number |
08J02202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小笠原 健 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 肝臓 / 薬物トランスポータ / mRNA発現量 / プロモーター / 一塩基多型 / 重回帰分析 / C型肝硬変 |
Research Abstract |
薬物トランスポータは薬物代謝酵素と共に様々な薬物の体内動態を制御している。近年、薬物トランスポータの発現量の個体差が、薬物の体内動態の個体差に関わっていることが明らかにされてきた。本研究では、薬物トランスポータの発現に影響を及ぼす因子を明らかにすることを目的として、肝有機アニオントランスポータ遺伝子のプロモーター領域の一塩基多型(regulatory SNP : rSNP)について検討を加えた。さらに、重回帰分析を用いて肝薬物トランスポータの発現に影響を及ぼす因子の探索を行った。 肝がん患者の非腫瘍部より抽出したゲノムDNAを用いて、MRP2、OATP1B1、OATP1B3及びOATP2B1遺伝子のプロモーター領域(約1kb)のダイレクトシークエンスを行った。MRP2、OATP1B1、OATP1B3で同定されたrSNPはトランスポータのmRNA発現量に影響を及ぼさなかった。一方、OATP2B1で同定された7つのrSNPのうち、-282G>AはOATP2B1 mRNA発現量を有意に増加させた。従って、OATP2B1の-282G>Aは、OATP2B1発現の個体差を規定する要因の一つとなることが示された。 年齢や性別、病態などの様々な要因の中から、肝薬物トランスポータの発現に影響を及ぼす因子を抽出することを目的として、重回帰分析を行った。17種の肝薬物トランスポータの中、最も予測精度の高かったMRP4に注目したところ、C型肝硬変でMRP4の発現量が上昇することがわかった。さらに、C型肝硬変では他の肝薬物トランスポータの発現も変動し、MRP4を含む一部の薬物トランスポータの発現は上昇したが、多くの薬物トランスポータの発現は減少することが明らかとなった。以上、重回帰分析によって、肝薬物トランスポータの発現に影響を及ぼす重要な因子としてC型肝硬変を同定することができた。
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