2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物における葉の中央周縁軸に沿った極性形成機構の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
08J02203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中田 未友希 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PRS遺伝子 / WOX1遺伝子 |
Research Abstract |
PRS遺伝子とWOX1遺伝子の発現を制御する機構を明らかにする一環として、WOX1p::GUSラインを用いてWOX1遺伝子の発現パターンの解析を行った。その結果、WOX1遺伝子はPRS遺伝子が周縁部で発現している時期に、同様に周縁部で発現していることがわかった。また、in situ hybridization法により、WOX1遺伝子の発現は初めは周縁部で見られ、より成長した葉では葉の表側(向軸側)と裏側(背軸側)の境界の領域に強く見られることも明らかにした。さらに、表裏方向の極性に関与し、葉の裏側に異所的な周縁部の組織の分化が見られることが報告されているkan1 kan2二重突然変異体においてWOX1遺伝子の発現を調べたところ、裏側全体に発現が広がっていることがわかった。この結果はWOX1遺伝子の発現に表裏方向の極性が深く関わっていることを示唆している。 葉の成長に関与し、周縁部特異的な発現をすることがすでに別のグループによって明らかにされているKLUH遺伝子の発現を、prs wox1二重変異体背景でKLUHp::YFPマーカーにより解析した。その結果、prs wox1二重変異体背景ではKLUHp::YFPマーカーの周縁部における蛍光が消失していることがわかった。この結果はPRS遺伝子とWOX1遺伝子がKLUH遺伝子の発現制御を介して葉の横方向への成長を制御している可能性を示唆している。 さらに、Arabidopisis thalianaに近縁で複葉に近い複生葉を持つCardamine hirsuta種におけるPRS遺伝子と脳WOX1遺伝子の機能を明らかにするため、両遺伝子のオーソログの配列単離を試みた。現在までにPRS遺伝子のオーソログと考えられる配列を決定し、WOX1遺伝子のオーソログについてもイントロンを含めた転写予想領域のうち約3割の配列の決定した。
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Research Products
(2 results)