2008 Fiscal Year Annual Research Report
C-H活性化を用いたタンデム型反応による含窒素複素環化合物の合成法の開発
Project/Area Number |
08J02283
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡部 敏明 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 含窒素複素環化合物 / 遷移金属触媒 / C-H活性化 / タンデム型反応 / パラジウム |
Research Abstract |
N-アリール化と酸化的C-H活性化を経由したタンデム型反応によるカルバゾール骨格の一挙合成法のさらなる展開を目指した。様々なアリールトリフラートとアニリンを反応させることでカルバゾールライブラリーを構築し、適用基質拡大を図った。その結果、一置換もしくは多置換カルバゾールを良好な収率で得ることができ、酸化的C-H活性化の段階において顕著な置換基効果の影響が見られた。また、通常酸化的C-H活性化は立体障害を避けるようにして進行するが、分子内でパラジウムとキレートを形成することが出来る置換基を有する場合、込み合った位置でC-H活性化が進行することを見出した。 酸化的C-H活性化の反応機構を調べるため、重水素化したジアリールアミンを用い速度論的同位体効果を測定した。その結果、同位体効果はほとんど観察されなかったことから、求電子置換反応が反応機構に関与していると考えられる。また、反応中間体を捕捉したところ、ジアリールアミンのより電子豊富な側で反応が進行していることが明らかとなった。このことから、酸化的C-H活性化において最初のC-H活性化は、より電子豊富な側から進行していることが強く示唆された。 上述のカルバゾールライブラリーの薬理評価を行ったところ、2位もしくは3位に疎水性置換基を有するカルバゾールに抗腫瘍活性があることが分かった。そこで、それらの構造を元に構造活性相関研究を行うことで、さらに強力な活性を有したカルバゾール誘導体を得ることができた。
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Research Products
(4 results)