2008 Fiscal Year Annual Research Report
光電界センサを用いたアレー型指向性ボアホールレーダの開発
Project/Area Number |
08J02326
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高山 卓也 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 指向性ボアホールレーダ / 相互結合 / き裂 |
Research Abstract |
これまでアレーアンテナを受信アンテナとして搭載したアレー型指向性ボアホールレーダを用いて実験を行った結果、それぞれの受信アンテナ素子の共振周波数付近において信号のコヒーレンスが低下する、アンテナ間結合の問題があった。このため解析には共振周波数よりも低い周波数の信号のみしか用いることができず、周波数帯域の低下に伴う分解能の低下、S/Nの低下を招いていた。この問題を解決するため、アンテナ素子上に付加したPINダイオードのバイアス状態の変化によりアンテナの長さを電気的に変化させるスイッチングアンテナを考案した。これによりアンテナ素子の共振周波数を変化させることが可能となり、アンテナ間結合の影響を高い周波数へ追いやることができる。室内実験、フィールド実験によって検証を行った結果30%ほどの周波数帯域の向上が可能であることが確認された。また改良した指向性ボアホールレーダを用いてフィールド実験によって地下き裂の三次元位置推定を行った。地下き裂は岩盤中の透水性などを評価する上で最も重要な要素であり、高レベル核廃棄物の地層処分、地下石油備蓄などの地下利用のためのサイト選定に必要とされる。それ以外にもトンネル掘削時の岩盤崩落事故の防止、高効率な地熱発電システムへの応用など社会的な必要性も多い。実験の結果地下き裂の三次元的な位置が特定され、それぞれのき裂がどのように組み合わさっているかについての推測が可能であることを示した。実験結果は再現性がよく信頼性のある結果であった。
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Research Products
(2 results)