2008 Fiscal Year Annual Research Report
フルカラーの蛍光色調を光で制御できる分子集合体の創製
Project/Area Number |
08J02336
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北原 達也 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 低分子ゲル / 光刺激応答性 / TICT / 分子集合体 / 蛍光色調変化 |
Research Abstract |
本研究では、光刺激を用いてフルカラーを誘起できる蛍光材料の構築を目指した。酸化還元電位の異なる2つの置換基を連結する結合部位がねじれると分子内電荷移動が起こるTICT色素は、誘電率環境に応じてその蛍光色調が連続的に変化する特徴を持つ。TICT色素の蛍光色調変化は、極端な低温条件と大きな温度変化を必要とする。また、誘電率やねじれに要する空間が重要な要素となるため、固体状態ではその特性が発揮されにくい。そこで、我々はソフトマテリアルである低分子ゲルへの展開により上記の問題を解決できると考えた。 まず、TICT色素に関する研究の知見を基に、溶媒の誘電率に応じて蛍光色調が可視域で大きく変化する色素の合成に成功した。この新規な色素を光刺激応答性の低分子ゲルに導入し、熱および光刺激によって蛍光色調を制御できるシステムを構築した。続いて、ゲル化剤に導入した光刺激応答性官能基であるアゾベンゼン部位の熱安定性を評価した。その結果、室温においてもアゾベンゼン部位のシス-トランス熱異性化か起こり、紫外光照射によって得られるゾルがゲルへと変化することが明らかとなった。さらに、紫外光と可視光を用いて光可逆的に蛍光色調変化が起こることを明らかにした。これらの研究成果は速報として投稿し、掲載が認められた(Chem.Lett.,2008,37,912-913.)。
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Research Products
(2 results)