2009 Fiscal Year Annual Research Report
言語的コミュニケーションにおける理解と規範の原理についての分析哲学的研究
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08J02338
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
古田 徹也 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | ウィトゲンシュタイン / デイヴィドソン / 大森荘蔵 / 心の哲学 / 概念主義 / 自然主義 / 言語哲学 / 規範性 |
Research Abstract |
1)言語的コミュニケーションについての原理論的研究のうち、第一言語の習得と心の出現との相関的なあり方をめぐって調査と考察を行った。特に、言語哲学と心の哲学の領域を横断的に議論するデイヴィドソンとウィトゲンシュタインの哲学の類似性および相違を明らかにすることを通じて、双方の解釈に関して従来とは異なる新たな視座を提示した。その成果の一部は、"What is 'Human Nature'? : Wittgenstein's Treatment of Language Acquisition"と題する論文として日本倫理学会の欧文誌Special Issue of the Annals of Ethicsに掲載された他、現在執筆中の博士論文の中に組み入れられている。 2)フランスのブーレーズ・パスカル大学(Universite Blaise Pascal)において12月10、11日に開催された国際シンポジウム"Personality and Subjectivity"において、"From Representation to Aspect : A phase of the Japanesc Reception of Wittgenstein's Thought"と題する発表を行った。日本においてウィトゲンシュタインの哲学がどのようなかたちで受容され、どのようなポイントが取り逃がされてきたのかを論じることによって、国際的に行われているウィトゲンシュタイン研究の中で、日本で培われてきた研究が貢献を果たしうる領域やアイディアについて提言をおこなった。 3)専門家以外の一般読者が日本の哲学の代表的な論文に触れて学ぶきっかけをつくるために、『日本哲学小史』という表題の図書を共同で著した。
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Research Products
(4 results)