2008 Fiscal Year Annual Research Report
実大RC橋脚の振動実験に基づくRC橋脚の耐震性に関する研究
Project/Area Number |
08J02344
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 智大 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 橋梁 / 耐震設計 / E-ディフェンス / 鉄筋コンクリート橋脚 / 震動台実験 / 寸法効果 / 非線形動的解析 |
Research Abstract |
1995年兵庫県南部地震では,多数のRC橋脚に甚大な被害が生じたことから,なぜあのような被害が生じた破壊メカニズムおよび現在の基準で設計されたRC橋脚の耐震性を明らかにするため,(独)防災科学技術研究所が有する世界最大の震動台実験施設E-Defenceを用いて2体の実大RC橋脚の加震実験が行われた.2体のうち1体は兵庫県南部地震で甚大な被害を受けた,1970年代の基準で設計された高さ7.5m,直径1.8mのRC橋脚(C1-2橋脚)であり,軸方向鉄筋の量を途中で減らす,段落しと呼ばれる構造を有している.もう1体は現在の基準で設計された高さ7.5m,直径2mのRC橋脚(C1-5橋脚)である. 実験の結果,C1-2橋脚は兵庫県南部地震による断層近傍地震動(JR鷹取駅記録)に対して段落しの位置でかぶりコンクリートが剥落し,鉄筋がはらみ出したのち,倒壊寸前の殺害となった.これに対し,C1-5橋脚は兵庫県南部地震による断層近傍地震動(JR鷹取駅記録)に対して曲げ損傷程度の被害で耐えること,載荷繰り返しによる損傷の進展は大きく,さらに回続時間の長い断層近傍地震動に対する耐震性には検討の余地があること,コアコンクリートが圧壊して破砕し,軸方向鉄筋及び帯鉄筋の隙間からバラバラになった粗骨材がまるで爆発したかのように噴出し,従来の小型模型を用いた実験とは異なり寸法効果があることを明らかにした. 現在これらの実験結果の詳細な解析を行っており,この結果により,これまで実験施設の制約等によりわからなかった実橋脚の破壊特性を明らかにでき,RC橋脚の耐震設計技術が大きく向上することが期待される.
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