2008 Fiscal Year Annual Research Report
曲面の写像類群、ホモロジー同境のなす群と閉3次元多様体の不変量
Project/Area Number |
08J02356
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
逆井 卓也 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教
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Keywords | 位相幾何学 / 写像類群 / ホモロジー同境 / 3次元多様体 |
Research Abstract |
1,写像類群やその代表的な部分群であるTorelli群を調べる上で欠かせないJohnson準同型やMagnus表現といった不変量に関して,秋田大学の鈴木正明氏の協力を得て,その計算を深い部分まで実行するMathematicaプログラムを作成し,具体的な計算を行った.とくに,このプログラムを東京農工大学の合田洋氏との共同研究の中で応用し,12交点のホモロジーファイバー結び目から得られる曲面のホモロジー同境に対する計算を通じて,それらの結び目の非ファイバー性を判定することができた.また,sutured Floer homologyなどの3次元多様体に関する最新の不変量について国内のセミナーを通じて情報を得て,その応用を試み,曲面のホモロジー同境のなす群のアーベル化に関して,多様体の既約性の仮定の有る場合と無い場合のそれぞれについてそれが無限階数を持つことを示した. 2,写像類群とTorelli群の中間に位置する一連のラグランジュ型写像類群と呼ばれる部分群たちに注目し,アーベル化の決定や2次ホモロジーの下からの評価,ねじれコホモロジーに関する考察や奇数番目のMorita-Miller-Mumford類の消滅などといった,それらの群たちに関する一連の性質を得た.これらの結果は,より複雑な構造を持つTorelli群の理解に向けての中間的段階とみることができるとともに,自由群の自己同型群の性質との類似点が観察され,興味深いものとなっている.また,種数3の写像類群の2次ホモロジーに関する応用を見つけることができ,写像類群そのものに対してフィードバックを与えることができた.
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Research Products
(3 results)