2008 Fiscal Year Annual Research Report
高い官能基許容性を有する結合組み換え反応に基づく極性溶媒中での高分子構造変換
Project/Area Number |
08J02380
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
天本 義史 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノゲル / 星型高分子 / ヘテロアーム |
Research Abstract |
今年度は、「結合組み換え反応に基づく星型ナノゲルの合成に関する研究」を実施した。特にアームの種類の異なるヘテロアーム型星型ナノゲルについての研究を行い、学術雑誌、ならびに学会等での発表を積極的に行った。まず、重合度の異なる2種類のブロック共重合体を用いて、結合組み換え反応によりアームの長さの異なる星型ナノゲルを合成し、光散乱測定ならびに走査フォース顕微鏡観察によりその構造を明らかとした(Chem.Commun.)。次に、化学組成の異なる2種類のブロック共重合体を用いて異なる種類のアームを有する星型ナノゲルを合成し、合成されたナノゲルは必ず2種類のアームを有することをその反応挙動より示した(J.Phys.:Conf.Ser.)。2種類のブロック共重合体が相補的に反応して高分子集合体(星型ナノゲル)を形成するため、ブロック共重合体の混合比や反応溶媒、反応濃度などによるアーム数やサイズの制御が可能であった。 これらの成果は、ヘテロアーム星型高分子の新規合成法を確立したものであり、可逆的にブロック共重合体が再生するなどユニークな反応挙動を示した。また、アームの長さや化学組成の制御された星型ナノゲルは様々な溶媒への溶解することが可能であり、各溶媒中での分子鎖形態についても興味深い研究対象である。 申請者は、極性溶媒中における星型ナノゲルの形成を提案しており、本年度得られた成果、具体的には反応挙動や溶解性を基に、水中などの反応系への展開が出来るものと考える。
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Research Products
(16 results)