2010 Fiscal Year Annual Research Report
高い官能基許容性を有する結合組み換え反応に基づく極性溶媒中での高分子構造変換
Project/Area Number |
08J02380
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
天本 義史 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 動的共有結合 / ゲル / 架橋高分子 / 自己修復材料 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに得られた共有結合の組み換え反応に関する知見に基づき、化学架橋高分子の構造変換を行った。 側鎖にアルコキシアミンを有するブロック共重合体を調整し、異なる溶媒中で加熱すると、ブロック共重合体と溶媒との溶解性の違いにより、星型ナノゲルのサイズが制御できることを明らかとした(Macromolecules (2010)。次に、分岐点にアルコキシアミンを有する星型ナノゲルを調整し、アルコキシアミン化合物との結合組み換え反応によるアーム脱離反応、ならびに末端にアルコキシアミンを有する直鎖状高分子との結合組み換え反応によるアーム交換反応を達成した(Polym.J.(2010))。 架橋点にアルコキシアミン骨格を有する架橋高分子を調製し、重合反応を用いて網目の構造変換を行った。単官能性モノマーを用いた場合、網目サイズが増加するのに対し、二官能性モノマーを用いた場合には網目サイズが減少した(Polym.Chem.(2011))。 光反応性のトリチオカーボネート骨格を用いて、化学架橋高分子の自己修復反応を行った。トリチオカーボネート骨格を開始剤として、ブチルアクリレートのRAFT重合を行い、化学架橋高分子を調製した。得られた架橋高分子を切断しUV照射を行ったところ、切断した架橋高分子の接合が見られた。また、粉砕した架橋高分子をガラス管中でUV照射を行ったところ、チューブ状の架橋高分子が得られた(Angew.Chem.(2011))。 共有結合でネットワークを形成している化学架橋高分子は、一般的に構造を変える事が困難であり、得られた成果はいずれも重要な知見を示す。
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Research Products
(11 results)