2009 Fiscal Year Annual Research Report
高い官能基許容性を有する結合組み換え反応に基づく極性溶媒中での高分子構造変換
Project/Area Number |
08J02380
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
天本 義史 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノゲル / 星型高分子 / 構造再編型化学ゲル |
Research Abstract |
今年度は、「結合組み換え反応に基づく星型ナノゲルの合成に関する研究」ならびに「構造再編型化学ゲルの創製」を実施し、学術雑誌、ならびに学会等での発表を積極的に行った。星型ナノゲルに関しては、相補的に反応する二種類のブロック共重合体を合成し、結合組み換え反応によりナノゲルを形成させた。原子間力顕微鏡や小角X線散乱測定、動的光散乱を用いて詳細に構造解析を行い、アームの種類の異なるミクトアーム型星型ナノゲルの合成や星型ナノゲルからブロック共重合体への構造変換を達成した(Macromolecules,2010)。構造再編型化学ゲルに関しては架橋点に反応性のユニットであるアルコキシアミン骨格を有する化学ゲルを合成し、脱架橋反応とモノマー挿入反応を行った。脱架橋反応ではゲル→ゾル転移を達成し、モノマー挿入反応では反応時間に応じて化学ゲルの網目サイズが制御できることを明らかにした(Macromolecules,2009)。 これらの成果は、いずれも構造の安定な化学ゲルでありながらゾル-ゲル転移などの脱架橋反応や網目サイズの制御が可能な反応系としてオリジナリティーや興味深い研究成果である。また、原子間力顕微鏡で星型ナノゲルの分子像を観察し、小角X線散乱測定により星型ナノゲルや化学ゲルの構造解析を行うなど、様々なゲルの構造解析手法を提案している点でインパクトが高い。 申請者は、極性溶媒中における星型ナノゲルの形成を提案しており、本年度得られた成果、具体的には反応挙動や分子設計を基に、水中での反応へ展開出来るものと考える。
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Research Products
(10 results)