2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02400
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舘 知宏 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 折紙 / コンピュテーショナルデザイン / 計算幾何学 / 可展 / 折り畳み |
Research Abstract |
折紙は折り畳み・展開の性質や折りによって作られる空間表現により工学的・建築的な高い応用可能性を持っている。しかし、恣意的に折紙形態を引用するのではなく、折紙の持つデザインの可能性をより広く多様な創作シーンに活用していくためには、原理的な折紙表現の数理を基礎として目標とする機能性と表現を自由度高く設計できる必要がある。折紙の専門的知識を持たないデザイナーでも簡易に折紙の特徴を持った折紙をデザインできるようなシステムを目標とし、折紙独特の表現に潜む数理を明らかにし、それをモデル化し、計算機上のデザインシステムを構築する。 折紙の動きが可能にする表現に着目し、それぞれの面要素に変形を起こさずに折紙モデル全体が連続的に変形する機構を作る幾何学的条件すなわち「剛体折り可能性」の条件の一部を明らかにした。可展・平坦折り可能な四価頂点メッシュについて剛体折り可能で冗長な拘束を持つ特異な一自由度機構を構築する条件を発見し証明した。その上で前年度までの成果である既知の三次元的折紙パターンの自由形状変形の手法を拡張し、剛体折り可能な自由形状折紙のデザインを可能とするためのシステムを構築した。さらに、折紙の概念を拡張し、剛体折りかつ折りたたみ可能な筒型構造物を考案し、そのバリエーションの生成手法を導いた。 剛体折り可能な折紙は、表現のみならず、工学的応用が可能であることに着目し、折りたたみ可能な可動建築への応用について提案し考察を行った。構築したデザインシステムの自由度を用いて、敷地条件や既存の建築物の配置条件を制約条件として解くことで、フレキシブルに環境に対応するデザインを提案した。また、剛体折り可能な厚み0の理想的な折紙機構に、その機構を保持したまま厚みを加え、厚板と回転ヒンジで実装するための手法を導き、実際に2.5m×2.5mの可動構造物の制作を通して、折紙の様々な建築的・空間的表現への実用可能性を示した。
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Research Products
(10 results)