2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02414
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
森田 梨津子 Tokyo University of Science, 基礎工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 全能性幹細胞 / ES細胞 / 歯 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究課題では、多能性幹細胞能を有するEmbryonic stem(ES)細胞から歯形成能を有する細胞を誘導して、ES細胞に由来する歯を形成誘導することを目的とした。 1、ES細胞からの歯形成能を有する細胞の誘導 ES細胞から胚様体(EB)を形成させ、浮遊培養により分化誘導を行なった。すると、培養6日目からEBの周囲にE-cadherin陽性、cytokeratin18陽性の上皮細胞層が認められることが判明した。そこで、培養14日目のEBから外科的に上皮細胞層を分離して、胎齢14.5日歯胚間葉組織と組み合わせて歯の形成能を評価したところ、低頻度ながら硬組織を蓄積する歯が誘導された。以上の結果から、ES細胞から誘導された上皮細胞層の中には、低頻度に歯の上皮組織へと分化する能力を有する細胞が存在し、器官原基法を用いることによって、ES細胞に由来する上皮組織を持った歯を形成誘導可能であることが示唆された。 2、人為的に作製した歯胚の成体マウス移植システムの構築 ES細胞から人為的に誘導した歯胚の発生を評価するin vivoモデルが必要である。そこで、器官原基法により作製した再生歯胚を用いて、成体マウス移植モデルの検討を新たに実験項目に追加して実施した。再生歯胚は、成体顎骨内移植により萌出して対合歯と咬合する再生歯を形成した。さらに、再生歯の歯根膜はメカニカルストレスに応答して歯槽骨のリモデリングを惹起すると共に、再生歯に侵入した神経線維は外部からの侵害刺激に応答して痛覚情報を中枢に伝達することが明らかになった。以上の結果は、本移植システムにより、ES細胞から誘導した人工歯胚のin vivoにおける発生と機能を評価できる可能性を示した。本研究の成果は、論文にまとめて投稿中である。
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Research Products
(6 results)