2008 Fiscal Year Annual Research Report
行動生態情報を指標とした、シロクラベラ人工種苗の養成技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
08J02422
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河端 雄毅 Kyoto University, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シロクラベラ / テレメトリー / 人工種苗 |
Research Abstract |
1.平成19年度までに取得した粗放飼育種苗のテレメトリー追跡データの解析を行った。放流後の粗放飼育種苗の詳細な移動パターンを調べたところ、放流後徐々に行動圏を拡大し、2〜3ヶ月で一定の行動圏を有することが明らかになった。また、追跡期間全体を通して、昼間に活発な水平・鉛直移動を行い、夜間に隠れ家で休息することが明らかになった。本結果より、異なる種苗間の行動比較に、行動圏変化、日周行動を用いるのが有効であることが示唆された。 2.上記のデータから生存時間分析を用いて粗放飼育種苗の定着(⇔逸散)パターンを調べた。その結果、放流サイズ、時期が放流後の定着率に影響を与えることが明らかになった。この結果は、放流サイズ、時期の決定に寄与するとともに、飼育条件の異なる種苗間の定着率の比較に本分析手法が適用可能であることを意味する。 3.日周行動の生態意義について考察するために、砂を敷いたガラス水槽内で粗放飼育種苗の日周行動をビデオ測定した。粗放飼育種苗は、昼間には活動性が増し砂を掃く行動を示し、夜間に自身で作成した窪みで休息した。更に、砂の上にシェルターを置いたところ、供試魚は、その下の砂を掃き、そこを隠れ家とした。以上から、砂と隠れ家となる基質がシロクラベラに重要な要素であることが示唆された。 4.以上の結果を受け、集約飼育種苗と粗放飼育種苗において、水槽内ビデオ観察、超音波テレメトリー追跡を行った。現在、水槽内ビデオ観察のデータは解析中であり、超音波テレメトリー追跡は供試魚を追跡中である。
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