2009 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染症動物モデル系の確立とAIDS発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J02500
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 佳 Kyoto University, ウイルス研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヒト化マウス / ヒト免疫不全ウイルス / 感染指向性 / HIV-1感染細胞 / 活性化CD4陽性T細胞 / 宿主因子 / 免疫学 / ウイルス学 |
Research Abstract |
ヒト免疫不全ウイルス-1型(HIV-1)感染による病態をin vivo環境で再現することのできる、ヒト免疫系を再構築したマウス(NOG-hCD34マウス)を用い、HIV-1のin vivo環境における感染ダイナミクスを解析した。その結果、HIV-1感染NOG-hCD34マウスにおいて、HIV-1感染症と類似する、1)長期の高ウイルス血症、2)漸進的な末梢血中CD4陽性T細胞の減少を再現することができた。このモデル系を用いてHIV-1感染細胞の詳細な解析を行い、in vivo環境におけるHIV-1感染細胞は主としてeffector memory CD4T細胞(T^<EM>)であること、そしてその約70%がKi67陽性の活性化分裂細胞であることを明らかにした。上述の実験結果に基づいた学術論文を筆頭著者としてViroloy誌に出版した(Nie et al., Virology, 2009[筆頭共著])。 近年、HIV-1粒子を細胞質膜上に繋留する細胞性因子として同定されたhBST-2/tetherinの機能の種特異性について検討するために、以下の実験を行った。HIV-1産生プラスミドとhBST-2発現プラスミドを、ヒト(HeLa細胞、HEK293細胞)、サル(Cos-7細胞、Vero細胞)、イヌ(D-17細胞)、ネコ(CRFK細胞)、ブタ(PK-15細胞)、ウサギ(RSC細胞)、ミンク(Mv.1.Lu細胞)、フクロネズミ(PtK2細胞)、ウズラ(QT6細胞)にトランスフェクションし、産生・放出されたウイルス最をTZM-b1細胞を用いた定量系あるいはELISA法により定量した。その結果、検討を行ったすべての細胞において、hBST-2の発現量に依存し、放出されるウイルス量は有意に減少することが確認された。この結果は、hBST・2は共因子を介することなくHIV-1粒子の繋留に寄与していることを示唆している。上述の実験結果に基づき、学術論文を筆頭著者として編纂し、Retrovirology誌に出版した。なお、この論文は、Retrovirology誌が選定する"highly accessed article"に認定された。 さらに、上述のNOG-hCD34マウスモデルを用い、致死性の活動性EBV感染症の再現に成功し、その詳細について解析を進めている。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Selective infection of CD4^+ effector memory T lymphocytes leads to preferential depletion of memory T lymphocytes in R5 HIV-1-infected humanized NOD/SCID/IL-2Rγ^<null> mice2009
Author(s)
Chuanyi Nie, Kei Sato, Naoko Misawa, Hiroko Kitayama, Hisanori Fujino, Hidefumi Hiramatsu, Toshio Heike, Tatsutoshi Nakahata, Yuetsu Tanaka, Mamoru Ito, Yoshio Koyanagi
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Journal Title
Virology 394
Pages: 64-72
Peer Reviewed
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