2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯の器官原基の初期誘導と分化を制御する分子機構の解析
Project/Area Number |
08J02507
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石田 研太郎 Tokyo University of Science, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 歯胚 / 器官原基 / 上皮・間葉相互作用 / 遺伝子 / 歯の発生 / 器官原基法 / 歯胚誘導 / 器官発生生物学 |
Research Abstract |
本研究課題では、上皮・間葉組織の相互作用により誘導される歯胚の初期発生の時期特異的、空間的制御の分子メカニズムを明らかにする目的で、私たちが開発した器官原基法により作製した人工器官原基の初期発生における遺伝子発現を網羅的に解析した。その結果、歯胚の初期発生に歯胚の初期発生に関与する候補遺伝子として76遺伝子を選択し、そのうち18遺伝子が歯胚発生過程において特異的に発現することが判明した。再生歯胚発生は正常歯胚発生を生体外で再現することから、再生歯胚と正常歯胚の初期発生において共通に発現している遺伝子を見出すことによって、歯胚発生に必須の遺伝子群を選択的に抽出できる可能性が高いと考えられた。そこで、正常歯胚発生過程における遺伝子発現変動を網羅的に解析し、歯胚発生過程において時期特異的に発現が上昇する185遺伝子の発現時期と発現部位の特異性を解析した。その結果、30遺伝子が歯胚特異的に発現し、そのうち7遺伝子が胎齢12日の予定歯胚形成領域、12遺伝子が胎齢14日の歯胚において発現することが判明した。以上の結果から、正常歯胚の網羅的遺伝子発現解析から歯胚発生の時期特異的に発現する遺伝子を抽出できることが明らかとなった。現在、正常歯胚と人工歯胚の遺伝子発現を比較解析することによって新たな候補遺伝子の選別を試みている。また、上記の遺伝子群の歯胚発生における機能を解析することによって、歯胚発生過程の分子機構の解明を進めたいと考えている。 選別した候補遺伝子の歯胚発生における分子機能を解析するために、アデノウイルスを用いて歯胚へ局所的に遺伝子導入する方法や、独自手法である器官原基法を応用して遺伝子導入型人工歯胚を作製する方法を開発している。これらの方法を応用することによって、上記のスクリーニングにより選択した候補遺伝子群の歯胚発生における分子機能を解析できると期待される。
|
Research Products
(1 results)