2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本の児童虐待防止活動における行政とNPOの協働を誘導するパートナーシップ政策研
Project/Area Number |
08J02533
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田中 真衣 Sophia University, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 児童虐待 / パートナーシップ / 政策研究 / イギリス:日本 / 歴史研究 |
Research Abstract |
児童虐待問題は世界中で深刻な社会問題となっているが、今後適切な対策を取っていく為に、大きな視点からこの問題を見ていく必要がある。今年度焦点を当てて深く研究をしたのは、児童虐待防止対策の背景と、行政とNPOとの協働の実態についてである。まず、現在の児童虐待防止対策のあり方を再検討するために、明治・大正・昭和期の児童虐待に関する社会的対応の変遷を丁寧に追っていった。ここでは、社会政策のみでなく民間団体の活動も重視し、日本の社会として現在の児童虐待対策にたどり着くまでの経路、主要な関係機関の設立当初の理念や趣旨を、文献研究によって分析していった。次に、日本の行政とNPOの協働の現状を把握するために、両者の協働に協定書を用いた新しい関係性を先駆的に提供している三重県をフィールドとし、現地実態調査を行った。はじめに、三重県におけるNPOと行政の協働関係を構築するためのガイドライン等の仕組みを明らかにし、その後三重県児童相談センターとエンパワメントみえが協働で行っている『MYTREEペアレンツプログラム事業』に焦点を絞り、両者を対象としたインタビュー調査を行った。また、事業費、人員構成、役割分担といった諸要件や、インタビューから導きだされた事項から、協働の実状を明らかにし、また、アカウンタビリティやパワー関係、信頼性といった諸要因から両者の関係性を分析した。 今年度の前半から中盤にかけては、マクロな題材の歴史研究を含んでいた為、多くの時間を資料の読み込み等の文献研究に費やした。この成果は、二つの投稿論文に結実している。また、後半には、計画通りフィールドワークを行うことができた。
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Research Products
(2 results)