2008 Fiscal Year Annual Research Report
女性労働者の権利規定をめぐる交渉過程分析-日本・シンガポール比較研究-
Project/Area Number |
08J02556
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
落合 絵美 Ochanomizu University, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 女性労働運動 / 労働組合 / 個人加盟ユニオン / 賃金格差 |
Research Abstract |
本研究の目的は、女性労働運動がいかなる政治的機会構造に規定されているのか、またそのなかで運動体がいかにしてみずからを制約する政治構造の変容を試みているのかを検証する日本・シンガポール比較研究である。 研究にあたっては、女性労働者の権利規定について利害関係を有する女性労働者団体、労働組合、経営者団体および行政をとりまく政治的機会構造を検証する。 1年目にあたる平成20年度は、主として日本における女性労働者団体の活動経緯と、それに影響を与えたアクターおよび国外の政治構造の分析をおこなった。また、女性労働者団体の活動戦略の基盤となっている理論的方向性の分析を、先行研究のレビューをつうじておこなった。この作業は、女性労働運動およびその成果の射程をとらえるうえで重要な作業として位置づけ、実施したものである。 女性労働運動に焦点を置いたうえで、現在の日本における労働運動をみていくことによって、女性労働者と男性労働者のあいだに横たわる類似性と差異を明確化する作業が可能となってきている。運動体およびその成果のジェンダー格差を概観可能とするためのこのような作業は、来年度の研究の基礎となる部分として位置づけている。 加えて、女性労働者の置かれた現状を理解するために、労働相談事業の対応および分析作業をおこなった。これによって、異なった側面からの現在の女性労働者の置かれた状況やその問題点について確認することが可能となった。
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