2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンナノワイヤトランジスタにおける電気伝導特性に関する研究
Project/Area Number |
08J02602
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
陳 杰智 The University of Tokyo, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノワイヤ / 移動度 / MOSトランジスタ / シリコン / 半導体 |
Research Abstract |
これまで,移動度に関する研究は従来のバルクMOSトランジスタや極薄膜SOI MOSトランジスタに限られており,ナノワイヤトランジスタのような1次元構造の移動度の研究はほとんどない.ナノワイヤトランジスタの移動度測定の難しさは,均一なナノワイヤチャネルを作製することが非常に難しいことや,1本のナノワイヤでは容量が極めて小さく,いわゆるスプリットCV法を適用できないことなどに起因している.正確な移動度測定のためには容量測定に基づくスプリットCV法が不可欠である.従来のナノワイヤトランジスタの移動度推定法はスプリットCV法を用いておらず,簡単な容量モデルをベースにした方法が多く,導出される移動度には誤差が多かった. これらの問題を解決するために,本研究では下記の方法でシリコンナノワイヤトランジスタの電気伝導特性の研究を行った. (A)複数のナノワイヤトランジスタを均一に作製する新プロセスを開発した.ナノワイヤチャネルの数は1000本以上とした.これによりデバイスの容量が大きくなり,より正確な容量測定を行った. (B)上記に複数ナノワイヤトランジスタの移動度をスプリットCV法により求めた.ワイヤ幅が10nm以下のナノワイヤトランジスタでは,スプリットCV法により移動度を求めた. (C)シリコンナノワイヤトランジスタにおける理論的計算と実測の移動度の差をなくすために,システマティックな実験と理論計算を行った. 以上のように本研究は自ら考案した正確に移動度を測定する方法を適用して移動度を評価するとともに,移動度を決定する物理的機構について検討を行い,より高い移動度を得るための指針を明らかにした.将来の大規模集積回路デバイスにとって非常に大きな波及効果が期待される.これらの成果は,この分野で最も権威のある国際電子デバイス会議(IEDM)とVLSI技術シンポジウムの双方に採択された.
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Research Products
(4 results)