2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02659
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
伊藤 貴彦 東京理科大学, 工学研究科工業化学專攻, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 不斉有機反応 / DDQ酸化 / 不斉マイケル反応 / ワンポット反応 |
Research Abstract |
有機触媒は、安価であり、水や酸素に安定で、毒性が少ないなどの利点がある。有機触媒を用いた不斉触媒反応により有用な光学活性化合物を環境に優しい効率的な方法で合成する手法を確立することを目的とし研究を行った。アルデヒドのα位に炭素-炭素結合を生成する方法は、エノラートを経由したアルドール反応に代表されるように古くより有機合成に用いられている。一方で、アルデヒドのβ位に直接炭素一炭素結合を生成する方法はほとんど報告されていない。アルデヒドのβ位にエナンチオ選択的に新しい炭素一炭素結合を生成することが出来れば、有機合成において有用な方法となる。 当研究室では、2005年にジフェニルプロリノールシリルエーテル触媒を開発した。本触媒は、現在様々な不斉触媒反応に世界中で用いられている有用な触媒である。我々は、アルデヒドのβ位を置換する方法として、ジフェニルプロリノールシリルエーテル触媒を用いた方法を開発した。ジフェニルプロリノールシリルエーテルとアルデヒ載から生成するエナミンがDDQにより酸化され、イミニウム塩となった後に加水分解されることでα,β-不飽和アルデヒドを合成できることを見出した。 また、DDQ酸化後に反応系内に生じたα,β一不飽和アルデヒドに対して、ワンポット反応にてニトロメタンをマイケル付加させる検討を行った。種々の検討の結果、DDQ酸化反応終了後に系内にニトロメタン、酢酸ナトリウム、メタノールを加えることで、高エナンチオ選択的にニトロメタンがマイケル付加することを見出した。
|
Research Products
(3 results)