2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02670
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安部 智貴 Hokkaido University, 大学院・水産科学院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ニホンウナギ / チョウザメ / 生体外卵生産 / 最終成熟 / 排卵 / プライミング |
Research Abstract |
現行のニホンウナギの人為催熟法では、サケ脳下垂体抽出液(SPE)の毎週投与により卵黄形成を促進している。卵黄形成完了後には、SPEを再投与(プライミング)し、その24時間後に最終成熟誘起ステロイドである17α、20β-dihydroxy-4-pregnen-3-one(DHP)を注射することで、最終成熟(卵成熟)および排卵を誘導している。これまでに、我々はプライミング後のニホンウナギから摘出した卵巣を培養し、卵成熟、排卵、受精および孵化に成功している。しかし、孵化率は個体毎に大きくバラつき、その原因はプライミング前にあると考えられた。そこで本研究では、プライミング前の卵巣を用いて。これまで同様に生体外で排卵、受精および孵化が可能か検討した。その結果、SPEプライミング前のウナギから摘出した卵巣でも、生体外でGTH前処理(プライミング)することで卵成熟能(DHP感受性)を獲得させ、卵成熟、排卵および仔魚を得ることが出来ることが示された。また、チョウザメを用いて同様の方法で孵化仔魚が得られるか検討。まず、生体外実験系確立の試、培養液の検討を行った。その結果、ウナギでは有効であった生理的塩類溶液では卵を良好な状態で維持出来ず、L-15培養液で良好な状態を維持した。次に、チョウザメでは卵成熟誘起ホルモン(MIH)を培養液中に添加することで卵成熟は誘導できるが、排卵までは誘導できないため、培養液にSPEを添加することでSPE単独またはMIHとSPEの複合添加で排卵誘導に成功した。得られた卵を人工授精に用いた結果、1例ではあるが孵化仔魚が得られた。このことから、ウナギ同様にチョウザメにおいても生体外実験系を用いた孵化仔魚生産の可能性を示した。
|
Research Products
(2 results)