2009 Fiscal Year Annual Research Report
経済人類学における「交換の形式」概念の再定位:越境する貝殻/貨幣""タブ""を事例に
Project/Area Number |
08J02671
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
深田 淳太郎 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 貨幣 / 自生通貨 / パプアニューギニア / ソロモン諸島 / 越境 |
Research Abstract |
1.市場取引における価格形成についての文献研究 市場における商品の価格形成を、経済人類学がどのように論じてきたのかについて文献研究を行なった。従来の研究では、取引を取り巻く情報や人間関係などの多様な要素を絡めることでより複雑な過程として市場における価格形成を論じてきたが、その一方で、取引の中心にある貨幣と商品の関係について、特に貨幣の具体的な支払いの方法や過程が価格形成とどのような関係にあるのかを十分に論じていないことが明らかになった。 2.ソロモン諸島ウェスタン州での調査 2009年12月にソロモン諸島ウェスタン州において貝殻貨幣の原料となるムシロガイの採集、加工、販売について調査を実施した。当地の村落において、ムシロガイ採集を実際に観察し、その方法などを記録したほか、当地でのムシロガイ採集の歴史や経済的・社会的位置づけについて明らかにした。また国境を越えてパプアニューギニアに輸出する経路についても調査を行なった。そのままパプアニューギニアに移動して、ムシロガイの輸送経路の調査の実施を行なう予定であったが、火山噴火の影響でパプアニューギニアでの調査を実施できず、次項に書いたように2010年度に実施した。 3.パプアニューギニア、イーストニューブリテン州での調査 2010年8月にパプアニューギニア、イーストニューブリテン州で、ソロモン諸島からのムシロガイの輸入の実態についての調査を実施した。買い取りを行なっている数名の人物にインタビューを実施し、近年の輸入の実態についての情報を収集した。
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Research Products
(2 results)