2008 Fiscal Year Annual Research Report
動脈性化学受容細胞における高二酸化炭素受容機構の解明
Project/Area Number |
08J02673
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
若井 淳 Gifu University, 連合獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 頚動脈小体 / 高二酸化炭素 / 低酸素 / 炭酸脱水素酵素 / チロシン水酸化酵素 / 血管内皮成長因子 / 化学受容器 / 分子生物学 |
Research Abstract |
慢性低酸素による発現増強が確認されているチロシン水酸化酵素と血管内皮成長因子のmRNAが、低酸素暴露あるいは高二酸化炭素暴露、そしてこれらの同時暴露を行った際にどのような発現変動を示すかを調べた。それぞれ0、2、6、12、24時間におけるmRNAの発現量をリアルタイムRT-PCRにより調べた結果、血管内皮成長因子mRNAは全ての暴露群において発現増強がみられなかった。しかしチロシン水酸化酵素mRNAは、高二酸化炭素暴露による発現変化は観察されず、低酸素暴露では6時間をピークとする発現増強が観察され、同時暴露では12時間をピークとする発現増強が観察された。低酸素暴露6時間におけるチロシン水酸化酵素mRNAの発現量と同時暴露12時間におけるチロシン水酸化酵素mRNAの発現量の間に、差はほとんど認められなかった。 以上より、高二酸化炭素は単独ではチロシン水酸化酵素mRNAの発現増強を引き起こすことはないが、低酸素によるチロシン水酸化酵素mRNAの発現増強を遅延させる作用を持つことがわかった。また、高二酸化炭素暴露により発現変化を示すと考えられていた炭酸脱水素酵素mRNAの発現量をリアルタイムRT-PCRにより測定したところ、10%24時間の刺激では変化しないことがわかった。 高二酸化炭素暴露により発現が変化する分子は知られていないため、マイクロアレイ実験によるmRNAの網羅的解析を行う必要がある。現在このマイクロアレイ実験を行うための条件を検討中である。
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Research Products
(1 results)