2008 Fiscal Year Annual Research Report
オスマン朝下の商工民と同職組合に関する研究-18世紀イスタンブルを中心に-
Project/Area Number |
08J02700
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤木 健二 Keio University, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | オスマン帝国史 / 同職組合 / 社会史 / トルコ |
Research Abstract |
交付申請書に記載したとおり、トルコ・オスマン帝国下の商工民・同職組合史研究の基礎的作業として、平成20年3月までにトルコ共和国で調査・収集した資料の解読とデータベース化の作業を中心に行った。具体的には、18世紀イスタンブルのイスラーム法廷記録のなかから商工民・同職組合に関する記述を抽出・解読し、今後の雑誌論文や博士論文作成に必要な資料をより踏み込んだかたちで厳選してゆくという作業である。その他に、平成20年3月までのトルコ共和国留学期間中には入手・参照が困難であった日本および欧米の最新の研究を収集してその成果を把握しつつ、学会における自身の研究の位置付けを明確化させる作業も並行して行った。こうした作業の経過報告として、平成20年11月にはトルコ共和国イスタンブルで開催された第6回国際ウスキュダル学会にて、「ウスキュダル商工民・同職組合史におけるイスタンブル法廷記録の重要性」という題目で学会発表を行った。これは、自身の調査・収集したイスラーム法廷記録の中からイスタンブルの郊外にあたるウスキュダル地区の商工民・同職組合に関する事例を取り上げて紹介し、商工民・同職組合研究におけるイスラーム法廷記録の史料的重要性を示したものである。また、ウスキュダル学会をとおして行った研究者との意見交換などを踏まえ、先述の学会発表の一部を加筆・修正した論文「18世紀イスタンブルにおける食料・物資供給と商工民・同職組合の諸相-ウスキュダルの果物・皮革・花卉の供給をめぐって-」を『史学』誌(三田史学会)に投稿した。これについては現在、審査継続中である。
|
Research Products
(1 results)