2010 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムCARS顕微鏡の開発と生体ダイナミクスの計測への応用
Project/Area Number |
08J02717
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南川 丈夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | CARS顕微鏡 / リアルタイムイメージング / 分子イメージング / 多焦点励起法 / マイクロレンズアレイ / 生細胞イメージング / 膜修復過程 |
Research Abstract |
細胞,生体組織等の分子レベルでの構造,分布の時空間展開を観察することは,科学的・医学的にも非常に重要である.CARS(コヒーレント反ストークスラマン散乱)顕微鏡は,分子レベルでの構造変化,分子分布を無染色にサブマイクロメートルの空間分解能で観察できる顕微観察法である.本研究では,CARS顕微鏡に高精度レーザー制御システム,多焦点励起システム,高感度イメージセンサーを用いることで高速に分子イメージング可能な顕微鏡の開発を行い,生体試料の時空間ダイナミクスの計測を行う. 本年度は,レーザーアブレーションによる細胞膜破壊時における,破壊部近傍のCARS光強度変化について考察した.その結果,細胞膜破壊後に見られるCARS光強度の増加は,キネシンやミオシンによって細胞内小胞が破壊部に集められ,細胞膜修復が起こっていることを示していると考えられるとの結論を得た.また,その後に見られるCARS光強度の減少は,修復に用いられた小胞同士,あるいは細胞膜との融合過程に起因していると考えられる. また,CARS顕微鏡における多焦点励起システムと単焦点励起システムの細胞へのダメージの定量評価を試みた.その結果,両者間で細胞ダメージに優位差がみられ,多焦点化の方が細胞ダメージを抑えつつ高速なCARSイメージングができることがわかった.
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Research Products
(10 results)