2008 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムCARS顕微鏡の開発と生体ダイナミクスの計測への応用
Project/Area Number |
08J02717
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南川 丈夫 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CARS顕微鏡 / リアルタイムイメージング / 分子イメージング / 多焦点励起法 / マイクロレンズアレイ |
Research Abstract |
細胞,生体組織等の分子レベルでの構造,分布の時空間展開を観察することは,科学的・医学的にも非常に重要である.CARS(コヒーレント反ストークスラマン散乱)顕微鏡は,分子レベルでの構造変化,分子分布を無染色にサブマイクロメートルの空間分解能で観察できる顕微観察法である.本研究では,CARS顕微鏡に高精度レーザー制御システム,多焦点励起システム,高感度イメージセンサを用いることで高速に分子イメージング可能な顕微鏡の開発を行った. まず,CARS顕微鏡に用いる2台のピコ秒モード同期レーザーの高精度同期システム,パルス幅自動制御システムをDSP(digital signal processor)を用いて構築した.次に,従来のCARS顕微鏡にマイクロレンズアレイを用いた多焦点励起法を援用することで励起の効率化を行った.一度に励起する焦点数を増やすことで,1焦点あたりの励起光強度を上げることなく露光時間を増やすことができる.そのため焦点数に比例してSN比が向上することを示した.また,感度の高い2次元センサ(EM-CCD)を用いることで,発生したCARS光の受光感度の向上を試みた.その結果,ポリスチレンビーズを毎秒30フレーム,リン脂質二分子膜を毎秒10フレーム,HeLa細胞を毎秒1フレームでリアルタイムCARSイメージングすることに成功した.また,複数の分子振動を計測することによって,DPPC脂質,重水素化DPPC脂質,DOPC脂質の脂質分布計測に成功した.
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Research Products
(7 results)