2009 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムCARS顕微鏡の開発と生体ダイナミクスの計測への応用
Project/Area Number |
08J02717
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南川 丈夫 Osaka University, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CARS顕微鏡 / リアルタイムイメージング / 分子イメージング / 多焦点励起法 / マイクロレンズアレイ / 生細胞イメージング / 膜修復過程 |
Research Abstract |
細胞,生体組織等の分子レベルでの構造,分布の時空間展開を観察することは,科学的・医学的にも非常に重要である.CARS(コヒーレント反ストークスラマン散乱)顕微鏡は,分子レベルでの構造変化,分子分布を無染色にサブマイクロメートルの空間分解能で観察できる顕微観察法である.本研究では,CARS顕微鏡に高精度レーザー制御システム,多焦点励起システム,高感度イメージセンサーを用いることで高速に分子イメージング可能な顕微鏡の開発を行い,生体試料の時空間ダイナミクスの計測を行う. 本年度は,生きた細胞のリアルタイムイメージングを行った.その結果,生きたHeLa細胞を10fpsで取得することに成功した(計測分子振動は2840cm^<-1>,CH_2対称伸縮振動).高速な3次元イメージングを行った場合,16s/volume(85スライス)で取得することができた.さらに,複数の分子振動(CH_2伸縮振動とCH_3伸縮振動)を計測することで,細胞内における脂質とたんぱく質の分布をイメージングすることに成功した. また,レーザーアブレーション技術を応用することで,レーザーアブレーションによる細胞膜破壊時における膜の修復過程のイメージングを行った.その結果,細胞膜修復時に破壊部に集まる脂質の2次元および3次元時空間分布イメージングに成功した(5fps).その時のCARS光強度を長時間計測することにより,細胞膜修復における小胞の融合ダイナミクスの計測に成功した.
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Research Products
(26 results)