2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02718
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
林 正道 The Graduate University for Advanced Studies, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 時間知覚 / 異種感覚統合 / 数量処理 / 生理心理学 / 機能的磁気共鳴画像装置 |
Research Abstract |
時間感覚は触覚による物体認知や運動制御、聴覚における音楽の認知などにも重要であるとされているが、その脳内メカニズムは不明な点が多い。時間情報処理は視覚・触覚・聴覚のどれにおいても受容可能であることから、脳内の処理メカニズムは感覚モダリティを超えて共通に行われている可能性がある。そこで、当該研究代表者はまず聴覚と触覚において時間処理の必要な課題(振動刺激の周波数比較課題)を遂行中の脳活動を機能的磁気共鳴画像(fMRI)装置により取得し、時間処理の感覚モダリティ依存性について検討した(研究1、前年度からの追加実験)。その結果、聴覚と触覚に相同な振動刺激の比較処理には時間知覚に重要とされる小脳や大脳基底核、前頭葉-頭頂葉のシステムが触覚、聴覚で共通に使われることが示された。この成果は現在論文投稿準備中である。これまでの行動学的研究から、時間情報処理は数量情報処理のメカニズムと類似している可能性が示唆されている。しかしその神経基盤の異同は不明である。そこで研究2では、時間と数量の脳内処理メカニズムの異同を明らかにし、さらに数と時間の"共通のカウンター"の存在を明らかにするためのfMRI実験を行った(研究2)。こちらについては現在データ解析中であり、次年度に学会発表および海外学術誌に論文投稿する予定である。これらの研究成果は脳卒中などからの脳機能回復に有効なリハビリ法の開発、工業デザインや広告戦略への応用が期待される。
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Research Products
(7 results)