2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02722
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
諫早 直人 Kyoto University, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 考古学 / 騎馬文化 / 馬具 / 製作技術 / 東北アジア / 三国時代 / 古墳時代 |
Research Abstract |
今年度は中国、韓国、日本の各地域において予定通り実地調査を遂行した。中国では北京、内蒙古自治区、遼寧省において博物館・研究所の見学をおこなったほか、遼寧・吉林省の高句麗遺跡の踏査をおこなった。韓国では各所蔵機関において三国時代の新羅、加耶、百済の馬具、特に轡を中心に、日本では九州の各所蔵機関において5世紀代の初期馬具を中心にそれぞれ実測調査をおこなった。 また韓国の国立慶北大学校の朴天秀教授を中心とする大加耶の高霊池山洞44号墳の再報告書作成作業に参加し、その中で私は出土馬具の事実記載を韓国人研究者と共同でおこなったほかに、大加耶における装飾馬具生産の変遷とその特質について単独で考察をおこなっている。このほかにも韓国の嶺南大学校博物館が所蔵する新羅の慶州皇南洞110号墳出土馬具について、韓国人研究者と共同で再報告をおこなった。 以上の実地調査や再報告作業の成果に基づいて、4〜5世紀の東北アジア(中国東北地方、朝鮮半島、日本列島)出土馬具の相対編年を組み、各地域間の併行関係と各段階の製作年代を明らかにした。その成果は三燕、高句麗、新羅までの作業を日本の学術雑誌に、新羅、百済、加耶、倭までの作業を日韓合同の国際学会でそれぞれ発表した。これによって広域編年網の整備と時間軸の確立という初年度の最大の目標を達成できた。この作業にもとづいた、大加耶における騎馬文化の導入と展開については先述のようにすでに成果を発表しており、次年度は新羅、百済、倭に関する分析を進めていく。
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Research Products
(4 results)