2009 Fiscal Year Annual Research Report
多糖シゾフィラン(SPG)をテンプレートとした高分子ナノ構造体の構築と応用
Project/Area Number |
08J02730
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
為末 真吾 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 糖 / 高分子科学 / 炭素材料 / 超分子科学 / 光刺激応答性材料 |
Research Abstract |
多糖シゾフィランと同じβ1,3グルカン類の多糖カードランに着目し、カードランらせん外部へクリック反応を利用し、環状オリゴ糖シクロデキストリンの修飾を行った。このシクロデキストリン修飾カードラン(CD-CUR)が水中で形成するらせん内に炭素材料として注目を集めているカーボンナノチューブを包接した。CD-CURの包接によってカーボンナノチューブの水溶性の向上が確認された。さらにシクロデキストリンと包接錯体を形成し得るゲスト化合物アゾベンゼンを側鎖として有するポリマーpAC_<12>Azoを合成し、水中でCD-CUR/カーボンナノチューブ複合体と混合した。その結果、溶液の粘度が増大し、ゲルを形成した。ここでアゾベンゼンは照射する光によってtrans-体、cis-体へと構造を制御可能である。そこで形成されたヒドロゲルに対し、365nmの波長の紫外光を照射し、pAC_<12>Azo側鎖のアゾベンゼンをtrans-体からcis-体へと光異性化させた。その結果。形成されていたゲルの粘度が減少し、溶液はゾルの状態へと変化した。逆にこのゾル状態の溶液に対し、430nmの可視光を照射し、アゾベンゼンをcis-体からtrans-体へと異性化させたところ、溶液は再び粘度が上昇し、ゲルを形成した。円偏光二色性スペクトル測定、2DNOES YNMRスペクトル測定の結果からヒドロゲル形成はCD-CURの側鎖シクロデキストリンとアゾベンゼンの包接錯体の形成によって起こっていることが分かった。さらに光応答性はアゾベンゼンの光異性化に伴ってこの包接錯体の形成と解離が制御できているためであるということがわかった。
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Research Products
(5 results)