2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02746
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金末 猛 Kyushu University, 工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レーザーイオン源 / 重イオン源 / 直接プラズマ入射法 / RFQ線形加速器 / 重イオンビーム / DPIS |
Research Abstract |
レーザーイオン源は1回のレーザー照射で1つのイオンビームを取り出すことができるパルス重イオン源である。本研究ではレーザーイオン源で発生したプラズマを直接RFQ線形加速器に入射させる直接プラズマ入射法を用いて重イオンビームを加速している。加速に成功しているパルス幅は1マイクロ秒程度であるが、シンクロトロン等への応用を考えるとより長いパルス幅のイオンビームを供給できることが必要である。そこで本年度は加速ビームの長パルス化、及びRFQへの効率的な入射条件を求めることを目指し研究を行った。レーザー生成プラズマはターゲットの垂直方向にドリフトしつつ断熱膨張する。パルス幅はドリフト距離に比例して増加し、ドリフト距離の3乗に反比例して電流量が低下する。そのためドリフト距離を制御することでRFQへの入射電流量とパルス幅を制御することができる。30cm,62.5cm,91cmの3通りのドリフト距離を用いて炭素6価イオンビーム加速実験を行い、入射電流量と入射効率についての関係を探った。その結果、入射電流量を制御することでRFQへの入射効率を大幅に改善できることを実験的に示した。加速ビームの長パルス化を行うにはドリフト距離を長くする必要であるが、レーザー生成プラズマとドリフト距離には前述した関係があるため、ドリフトさせると引き出せるイオン粒子数が低下してしまう。そのためパルス幅には限界がある。そこでレーザー生成プラズマをソレノイド磁場で閉じ込めることで粒子数を損なうことなく長パルス化を行うことを目指した。ソレノイド磁石を製作してイオン源テストベンチに挿入し、ソレノイド磁石によりプラズマが閉じ込め得ることを実験的に示した。その後、炭素6価イオン加速実験によりソレノイド磁石を使うことでパルス幅を損なうことなく電流量が増加することを示した。これはドリフト距離を長くしても電流量が低下せず1パルス中の粒子数が低下しないことと同値である。
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