2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02748
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩下 伸也 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プラズマCVD / ナノブロック / 振幅変調パルス放電 / ポーラス低誘電率膜 / ナノシステム |
Research Abstract |
多数のナノ構造が協調して仕事を行うナノシステムを構築する手法を開発するため,プラズマを用いたナノブロックの作製・輸送・配置・結合の4要素操作から成るナノシステム構築法の研究を行った.現在までに,以下の成果を得た. 1.放電の揺らぎのナノブロックへの影響を解明する目的で,放電電力の摂動がイオン密度に及ぼす影響を測定した.10kHzの放電電力摂動によりイオン密度には10kHzだけでなく,そのn倍の高調波成分が現れる.また放電電力の摂動が大きくなると,イオン密度の高調波成分の振幅が大きくなる,このような時間的な揺らぎが,空間的な揺らぎ(不均一性)に加えてプロセスに影響を与える可能性がある. 2.本研究のナノシステム構築法を用いて高機械強度ナノ粒子含有多孔質低誘電率膜作製法の開発を行った.高機械強度を有する多孔質膜を作製するためには,ナノ粒子の合成・輸送の各プロセスにおけるナノ粒子間の凝集を低減する必要がある.本研究では,ナノ粒子の(1)合成・(2)輸送プロセスでナノ粒子間の凝集を低減するためには,(2)気相中のナノ粒子数密度とイオン数密度の比n_p/n_iを50以下にする,(2)振幅変調パルス放電を用いてナノ粒子を高速に基板方向に輸送する必要があることを明らかにした.本研究で作製した膜の比誘電率は1.4-2.9,ヤング率は10GPa以上である、高機械強度を有する多孔質膜が作製できた要因として,作製プロセス中のナノ粒子間の凝集を低減することで,サイズ制御したナノ粒子を基板上に敷き詰めた構造を多孔質膜が有する点が挙げられる.
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Research Products
(12 results)