2008 Fiscal Year Annual Research Report
重層的世帯内におけるミクロ権力関係-バングラデシュ縫製工場女性労働者を事例に
Project/Area Number |
08J02750
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
長田 華子 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | バングラデシュ / 縫製産業 / 縫製労働者 / 世帯 / ジェンダー |
Research Abstract |
本年度は、1.学会報告、2.先行研究の講読、3.二年度目に実施予定の現地調査計画の立案、の三点に特に力点を置き研究に取り組んだ。 1.フェミニスト経済学会、日本平和学会において、バングラデシュ縫製労働者と世帯内におけるエンパワーメントについて報告した。世帯内におけるエンパワーメントを世帯内で生じうる諸問題への発言と決定の行使(可能)力でとらえたことに対して評価を受けた。報告を通じて、今後の研究について示唆を得た。 2.女性労働研究と貧困研究の二点に重点を置いた。調査地域バングラデシュに関する調査研究のみならず、より広範な地域を対象とした研究蓄積にあたることにより、求める研究の本質が何であるかを問うことに努めた。また特に2008年10月の世界同時金融危機を発端に貧困研究への関心が高まった。貧困概念の再検討をすると同時にジェンダー視点を組み込むと不可視化していた現状がどう可視化するのか、その重要性を再認識した。本研究がジェンダー視点無くしては、成り立たない点を改めて実感した。 3.(1)現地事前調査の実施と(2)先行調査研究の洗い出し及び調査研究の目的の明確化の二点を試みた。現地研究者をはじめバングラデシュ縫製産業及び労働者に詳しい方々へ、現状についてのインタビューを行った。また、調査計画について助言・指導を受けた。 前述したように、本年度には世界同時金融危機が発生した。これまで著しい成長を続けたバングラデシュ縫製産業だが、今後それが揺らぐと危惧する。次年度は、金融危機以降の実態を追求したい。
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