2008 Fiscal Year Annual Research Report
音楽音響信号の音源分離における統合的理論の構築とその応用
Project/Area Number |
08J02757
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
糸山 克寿 Kyoto University, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 音源分離 / 音楽情報検索 / 類似楽曲検索 |
Research Abstract |
Query-by-Example(QBE)による音楽情報検索とは,ユーザが指定した楽曲をクエリ(example)として与え,楽曲を相互の類似性に基づいてランキングする検索手法である.QBEは有用な検索手法であるが,ユーザは事前にクエリとなる楽曲を準備する必要がある.また,検索結果に不満がある場合,よりよい検索結果を得るためにはユーザはクエリとなる他の楽曲を探す必要がある,等の課題が存在した.我々は音楽リミックスインタフェースを用いてQBE検索におけるクエリを作成する手法を提案した.このインタフェースは,音楽音響信号(混合音)中の各楽器パートごとの音量を操作する機能を持つ.より好みに近い検索結果を得るため,オリジナルの楽曲とは異なるミックスバランスのもとで合成された新たなクエリをこのインタフェースを用いることで容易に生成することができる.ステレオの音楽音響信号のリミックスに関する研究はすでに報告されているものの,調波的な楽器音のみを対象としていた.これに対して我々は,調波的な音と非調波的な音との両方をリミックスの対象とした.ユーザの検索への動機付けとしては,MIDI音源によって生成した信号をクエリとするよりはCDの信号をクエリとする方がユーザは検索へとより強く動機付けされると考えられることから,我々は音楽音響信号(混合音)の音量を操作し,クエリを生成することが重要だと考える.この研究を通じて,我々は2つの大きな知見を得た.1.ユーザの直感的な楽器音量バランスへの操作を実現するためには,高品質な音響信号が不可欠である.2,楽曲の雰囲気(ジャンル)と楽器音量バランスとの関連性を詳細に分析する必要がある。
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Research Products
(6 results)