2008 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域移動無線通信における周波数領域等化技術の研究
Project/Area Number |
08J02762
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 一樹 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 周波数選択性チャネル / 超高速無線パケット伝送 / 送信等化 / THP |
Research Abstract |
超無線高速パケット伝送の実現には周波数選択性フェージングの克服が不可欠である.最小平均二乗誤差(MMSE)規範に基づく1タップの受信周波数領域等化(FDE)では優れたビット誤り率(BER)特性を実現できるが,チャネルを完全には周波数フラットに変換できないため,特性改善能力には限界が生じる.そこで私は,トムリンソン-原島前置等化(THP)と受信FDEを融合して受信FDE後の残留ISIを抑圧する「ジョイントTHP/受信FDE」を提案し,更なるBER特性の改善が可能であることを明らかにしてきた.一方,次世代移動通信では,移動端末の小型・低消費電力化が必要である.実用的には,全ての信号処理を基地局側に任せるのが望ましい.これまで「ジョイントTHP/受信FDE」において,受信側で行うとしてきたすべての等化信号処理を送信側で行うことができれば,下りリンク伝送(基地局→移動局)に適用することで移動局受信機への負担を軽減し,小型・低消費電力の移動局を実現できる可能性がある.そこで本年度は,受信側での等化処理を不要とし,送信側で全ての等化処理を行いつつ「ジョイントTHP/受信FDE」と同等の伝送特性を達成可能「ジョイントTHP/送信FDE」を提案し,その伝送特性改善効果を計算機シミュレーションにより明らかにした.また,「ジョイントTHP/送信FDE」に格子基底縮小アルゴリズムを適用することで,より一層のBER特性改善が可能であることも明らかにした. 本研究に関し,1件の国内研究会,1件の国際会議で成果発表を行った.
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Research Products
(2 results)