2010 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域移動無線通信における周波数領域等化技術の研究
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08J02762
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 一樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 周波数選択性チャネル / 超高速無線パケット伝送 / 周波数領域等化 / ハイブリッド自動再送要求 / 繰り返し適応干渉キャンセラ / チャネル推定 / 協調リレー / セルラ通信 |
Research Abstract |
超高速無線パケット伝送実現のため,周波数選択性フェージングチャネルの克服が最優先課題として知られている.これまで,最小平均二乗誤差(MMSE)規範に基づく周波数領域受信等化(受信FDE)が優れた等化技術として広く研究されてきた.私は次世代超高速無線通信の実現可能性を高めるべく,一段と優れた伝送特性を実現する送受信協調型の新しいFDE技術の研究を行ってきた.無線パケット伝送に不可欠なハイブリッド自動再送要求(ARQ)と組み合わせたときに最適な送受信協調MMSE-FDEフィルタを理論的に求め,計算機シミュレーションによりそのスループット改善効果を明らかにしてきた.今年度は昨年までの研究を発展させ,3つの新たな提案および検討を行った.1つ目は,これまでの提案法と繰り返し適応干渉キャンセラの融合技術の提案である.これにより送受信協調FDEのスループットをさらに改善できることを明らかにした.2つ目は,チャネル推定誤差の影響評価である.提案法は送受信機がチャネル情報を必要とするにも関わらず推定誤差にロバストであり,時分割複信(TDD)を仮定したチャネル推定誤差環境では,受信側のみでFDEを行う従来法よりも常に優れた特性を実現できることを明らかにした.3つ目は,協調リレー通信との融合技術の提案である.セルラ環境においては周波数選択性フェージングチャネルに加え,伝搬損失やシャドウイング損失といった受信電力そのものの変動が新たな問題となる.しかし提案法と協調リレー伝送を組み合わせ,送信機リレー局,受信機が一体となる協調FDEを行うことで,伝搬損失・シャドウイング損失があるセルラ環境においても優れたスループットを達成できることを計算機シミュレーションにより明らかにした.本研究に関して4件の査読付論文発表および6件の国際会議発表を行った.
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Research Products
(10 results)