2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユニット集積型人工リボザイムによる細胞内フィードバック翻訳制御回路の構築
Project/Area Number |
08J02792
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 友紀 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | RNA / リボザイム / リボスイッチ / 分子進化工学 |
Research Abstract |
細胞機能を制御する重要な因子として、組織内での蛋白質の局所的な合成が必要となる。タンパク質が特定の細胞で特定の時期に合成されるためには、mRNAの翻訳が適切に制御される必要がある。近年、蛋白質だけではなくリボザイムを含む機能性RNAもこの役割を担っていることが明らかとなった。これまでに報告されている人工リボザイム(人工リボスイッチ)による発現制御の戦略は、外部から導入するリガンドがリボザイムの切断反応を阻害することにより蛋白質が発現するシステムである。本申請研究ではより複雑な、細胞内の特定の蛋白質の濃度をセンシングし、発現量があるレベルに達すると自動的に発現がOFFになる「フィードバック応答型人工リボスイッチ」を構築する。 本年度では、「フィードバック応答型人工リボスイッチ」の基盤分子であるRNA連結活性を持つ人工リボザイムYFLの解析を行った。具体的には、1)小型化したYFLの触媒ユニットの分子工学進化、2)ケミカルプロービングによるYFLの構造解析、3)YFL変異体の活性評価による、YFLの構造機能相関解析、を行った。その結果、YFLが他のリボザイムより少ないわずか16の塩基で活性発現を行っていること、YFLの3'位一本鎖配列中にYFLが不活性構造に折りたたまれるのを防ぐサプレッサーユニットが存在することを明らかにした。 本年度の成果は、人工リボスイッチを設計、構築する上での重要な知見であると考える。
|
Research Products
(6 results)