2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユニット集積型人工リボザイムによる細胞内フィードバック翻訳制御回路の構築
Project/Area Number |
08J02792
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 友紀 九州大学, 大学院・工学府物質創造工学専攻, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNA / リボザイム / リボスイッチ / 分子進化工学 / モジュール工学 |
Research Abstract |
細胞機能を制御する重要な因子として、組織内での蛋白質の局所的な合成が必要となる。タンパク質が特定の細胞で特定の時期に合成されるためには、mRNAの翻訳が適切に制御される必要がある。近年、蛋白質だけではなくリボザイムを含む機能性RNAもこの役割を担っていることが明らかとなった。これまでに報告されている人工リボザイム(人工リボスイッチ)による発現制御の戦略は、外部から導入するリガンドがリボザイムの切断反応を阻害することにより蛋白質が発現するシステムである。本申請研究ではより複雑な、細胞内の特定の蛋白質の濃度をセンシングし、発現量があるレベルに達すると自動的に発現がOFFになる「フィードバック応答型人工リボスイッチ」を構築する。 本年度は、近年新たに発見されたリボスイッチファミリーの立体構造に着目し、これを基盤分子として人工的な改変を行うことで「フィードバック応答型人工リボスイッチ」を構築することを目指した。工学的な改変を行うにあたり、まず本リボスイッチの性質を検証した。本リボスイッチは、ループとそれに特異的に結合するレセプターを有する。そこで変異体解析によりこのループ-レセプターの機能発現への影響を調べた。その結果、この相互作用はレセプターを含むステム構造を安定化させるために機能していることが分かった。この結果から、レセプター位にアプタマードメインを挿入し、小分子によりステム構造の安定化を制御することで、リボスイッチの機能発現を制御することを試み、これを達成した。
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Research Products
(5 results)