2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02849
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石田 拓郎 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 再使用型宇宙往還機 / 胴体断面形状 / 剥離渦 / 空力特性 |
Research Abstract |
本年度の研究は新しい機体形状の提案と解析および成立性議論のための軌道解析の2つを柱にして行った。 まず新しい機体形状の提案と解析であるが、過去の実験や数値解析から得られた知見を基に、新たな宇宙往還機の胴体断面形状を提案し、その解析を数値的に行った。断面形状はこれまで行った研究により直角二等辺三角形が高い揚力係数と揚抗比を有することが確認されているのでその形状を基にし、さらに低迎角での揚力係数の改善および機体後方に翼を持つ宇宙往還機によく見られる頭下げモーメントの緩和のために胴体中心概形線にNACA4412翼型を採用した。この形状について、特に剥離渦の影響が顕著である亜音速領域(マッハ数0.3)においてCFDを用いて解析を行った。その結果、迎角0度においてこれまでのモデルに比較して高い揚力係数および頭下げモーメントの緩和が得られた。揚抗比についても揚力増加が抗力増加に勝ったために若干ではあるが大きな値に改善された。また剥離渦の影響が大きい迎角30度においては約1.5倍の揚力係数を得た。これにより地球に帰還する際の着陸時に着陸速度を小さくすることができ、着陸時の安全性を向上させることができた。また新たな形状の流れ場の解析から、高迎角における剥離渦の影響を十分に生かすには強い剥離渦を胴体前方で形成し、それを壁面近傍に保ちながら発達させることが重要であることが明らかになった。 次に成立性に関する軌道解析であるが、現在までに研究が行われている形状について実機へのスケールアップを行い重量の推算を行い、再突入から着陸までの軌道解析を実施した。その結果を米国のスペースシャトルと比較してみると着陸速度、着陸滑走距離、最大壁面熱流束の3つの項目において低減できる結果を得た。これにより、再使用型宇宙往還機として成立する可能性を示すことができた。
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Research Products
(3 results)