2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける障害者と社会の関わりに関する人類学的研究
Project/Area Number |
08J02877
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸田 美佳子 Kyoto University, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 障害者 / カメルーン / フィールドワーク / 人類学 / ケア |
Research Abstract |
2009年度まで特に,カメルーン東部熱帯雨林地帯の農村部を中心に身体に障害のある人びとの生活実践を,狩猟採集民バカ・ピグミーと近隣農耕民という大きく異なる生業活動と社会関係を築いている民族集団の関係性に着目しながら現地調査をしてきた。この研究をまとめ,2010年3月に『森棲みの社会誌』(京都大学学術出版会)に「カメルーン熱帯雨林地帯の「障害者」:身体障害を持つ人びとの生活実践とその社会的コンテクスト」として出版した。一方で,調査地のようなカメルーン農村部においても,近代的な潮流にのって障害者のための公的サービスが実施されつつある。特に,カメルーンでは,国連主導によっておこなわれている『アフリカの障害者年(2000年-2009年)』の後押しを受け,都市部を中心に障害者運動の活発化や政策転換がおこなわれている。そこで,本年度は地域内「ケア」に着目し,それが担われ,遂行される規範的・経済的・社会的枠組みのもと障害者と周囲の人びとの社会関係を検討することを目的に約10カ月の長期に渡り、現地調査をおこなった。 さらに、アジアで調査をおこなっている他地域の学生と「ケア」テーマに共同研究をおこなっており,本年度はカメルーンの障害者当事者やカメルーン政府のソーシャルワーカーと共にカメルーン西部州でワークショップを開催した。今年度12月には、これらを報告書としてまとめ、京都大学で院生発案共同研究報告会を実施した。研究内容をHPで公開し、JICA関係者や日本の障害者団体に向けて発表(2009年12月)をおこなうなど、アウトリーチ活動にも力を入れながら、開発分野に視野を入れための研究を遂行するための活動をおこないつつある。
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Research Products
(8 results)