2009 Fiscal Year Annual Research Report
現代イラン政治の動態的分析――社会と宗教の相互依存と拮抗関係
Project/Area Number |
08J02960
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒田 賢治 Kyoto University, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イラン政治 / イスラーム / シーア派 / 宗教政治 / 宗教復興 |
Research Abstract |
本年度における研究実施は、第一に資料収集並びに法学権威の動向についてのデータ収集を目的としたフィールド調査、第二に国際的な研究成果の発信を行った。 第一の点について、稀見資料を含めた資料収集は、コムを中心において行った。また近年の法学権威とイラン政治の動向を把握するために、2010年1月~3月にかけて、同じくコム市を中心としたフィールド調査を行った。特に2009年6月2日に行われた第10期イラン大統領選挙後の騒乱に関して、現在のイランの左派に当る改革派をバックアップした大法学者モンタゼリー師(d.2009)の子息アフマド・モンタゼリー氏、また左派の法学者たちのなかでもとりわけ法学者社会と強い関係をもつ組織「コム・ホウゼ講師並びに探求者の集団」の事務局長であり、革命後革命裁判所検事総長を務めたホセイン・ムーサヴィー・タブリーズィー氏とのインタヴューを行った。その結果、第10期大統領選挙後に、敗北したミールホセイン・ムーサヴィー氏の支持集団内で、イラン国家に対して全く別の姿勢を持った集団が存在するとともに、支持集団内の温度差が明らかになった。 他方、第二の点、研究成果の国際的発信については、2009年9月4日に行われた英国中東学会院生部門(BRISMES Graduate Conference)での発表並びに、2010年2月28日に諸宗教・諸宗派大学東洋思想研究所において発表を行った。前者での発表によって、欧米の若手研究者と学術交流を深めることができた。他方、後者での発表は、現地の研究者との学術的交流のみならず、結果的には文化的交流を行えた。
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Research Products
(4 results)