2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト・コンフリクト周辺地域の平和構築-アンゴラ移住民の生活再建の事例から-
Project/Area Number |
08J02964
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村尾 るみこ Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ポスト・コンフリクト / 平和構築 / 難民 / 生計維持 / 紛争 / ザンビア / キャッサバ / 強制移住 |
Research Abstract |
アフリカの紛争に起因する社会問題は、グローバル化の渦中のなか複雑化して、現地の平和構築を困難なものとしている。本研究は、国境で二分しきれないポスト・コンフリクト周辺地域で人びとが再建してきた生活基盤の詳細を明らかにし、アフリカにおける平和構築のあり方を模索することを目的とするものである。平成20年度は、アンゴラ紛争停戦後の現段階における、アンゴラからザンビアへと移住してきた人びとの生計維持にいかなる困難と克服がみられるのかに焦点をあてた。具体的には、年間を通じて国内外から収集した関連資料の整理をすすめた。4月には理事を務めるNPOから「アフリカをめぐる10の物語」を発行し、ザンビアで生活する人びとの文化変容に関する情報公開をおこなった。またアフリカの紛争および難民、強制移住をテーマとする若手研究者らと「紛争・難民・平和(構築)研究会」を立ち上げ、計6回の研究会をおこなった。これを通じて、今日の日本では蓄積の薄い人類学や地域研究の分野での関連研究の動向を分析した。この研究会の内容はHP上でその成果を公開している。8月以降は、研究会による成果をいかしつつ、アンゴラ紛争終期から紛争後にみられる土地管理の状況をまとめ、『アジア・アフリカ地域研究』に論文を投稿した。1月以降はザンビア西部での紛争後の生計維持の実態が、アフリカ地域社会にみられる難民問題解決に応用されうる方途に言及した論文執筆に取り組んだ。本研究科発行のAfrican Study Monograph、およびJournal of Refugee Studiesへ近日中に投稿する予定である。またこの一部を、3月の熱帯農業学会講演会にて、「南部アフリカにおけるキャッサバの品種とその利用」と題し口頭発表した。
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Research Products
(3 results)