2010 Fiscal Year Annual Research Report
科学的エビデンスに基づくライフスタイル改善指導による健康増進効果の検討
Project/Area Number |
08J02965
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
児玉 暁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | メタ・アナリシス / 危険因子 / 飲酒 / 心房細動 / 心血管疾患 / 肥満 / 血糖値 / 生活習慣介入 |
Research Abstract |
国民生活に直結する生活習慣の影響と効果について、疫学または介入研究に基づく信頼しうるデータを提示することが至急の課題である。生活習慣病予防の観点から非常に重要であるテーマは、ほぼ同一のテーマで多数の研究が存在するが、現時点で一定の見解が得られていないケースは非常に多い。メタ・アナリシスは、同種のテーマについて扱った先行研究を系統的に総括し、信頼しうるエビデンスを確立するために最も有効な研究手法である。本年度も、このメタ・アナリシスを用いた論文が、一流誌や三大新聞の一つに掲載され、高い国際的評価と得ることができた。 なかでも、飲酒と今日の日常診療で診る不整脈の中心的存在である心房細動リスクとの相関との関係について系統的総括を行った研究は、心疾患ではCirculationに次いで最もimpact factor (IF)の高い国際誌の一つであるJournal of the American College of Cardiology (IF=12.6)に掲載可となり、別紙のごとく国内外のメディアにも大きく取り上げられた。この他にも高血糖の指標である心血管疾患危険因子としての空腹時および糖負荷後血糖値を比較したメタ解析は、アメリカ糖尿病学会で活発な議論を繰り広げた。 生活習慣病の根源たる因子は肥満であり、肥満に関わる生活習慣要因である朝食や飲酒と肥満リスクとの関連についても、これまでの数千本の研究を網羅的に検討した結果を、肥満関連国際誌に投稿中である。また、近年実地教育が困難な対象者にWebを用いた生活習慣介入が広く行われる傾向にあり、今後我が研究室でも実施予定であるが、その前段階としてこうした介入の肥満改善効果の系統的総括を行った。これらについてはいずれも論文投稿中であり、今後も数多くのエビデンス確立推進により、新たな心血管疾患危険因子を多数構築し、介入試験に有効利用することが期待される。
|
Research Products
(15 results)