2009 Fiscal Year Annual Research Report
科学的エビデンスに基づくライフスタイル改善指導による健康増進効果の検討
Project/Area Number |
08J02965
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
児玉 暁 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 生活習慣病 / メタアナリシス / 有酸素性作業能力 / 冠動脈疾患 / 尿酸 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
国民生活に直結する生活習慣の影響と効果について、疫学または介入研究に基づく信頼しうるデータを提示することが至急の課題である。生活習慣病予防の観点から非常に重要であるテーマは、ほぼ同一のテーマであっても多数の研究が存在する。しかし、現時点で一定した見解が得られていないテーマは非常に多い。メタアナリシスは、同種のテーマについて扱った先行研究を系統的に総括し、信頼しうるエビデンスを確立するために最も有効な統計的研究手法の一つである。本年度は、このメタアナリシス手法を用いた論文が、一流誌や三大新聞の一つに掲載され、高い国際的評価と得ることができた。 なかでも、関連するテーマにつき、10000本以上の論文の中から、有酸素性作業能力と全死亡、および冠動脈疾患リスクの数量的関係をメタアナリシス手法により総括を行った結果は、膨大かつ緻密な解析作業と、提示された結果の生活習慣への高い実用性が高く評価され、内科の中でも最大級の一流誌であるインパクト・ファクター31.7(2009年現在)のJAMAに掲載可となっただけでなく、後述する新聞や数多くの国内雑誌にもその内容の概要が掲載されている。同様に、血中尿酸値と2型糖尿病発症の関係についても、これまでに数多くの総説で取り上げながらも一定のエビデンスの得られていないテーマであったが、このテーマについてもメタ解析を行い、糖尿病関連の雑誌では世界で2番目のインパクト・ファクター(7.3:2009年現在)をもつDiabetes Careに評価され、さらにアメリカ糖尿病学会やメディカルトリビューンなどの臨床家の中で名高い内科雑誌にも取り上げられた。 現在も解析、投稿、校正中の論文が数多く存在し、具体的・定量的内容を含めたメタ解析をさらに推進することにより、今後も新たな心血管疾患危険因子を多数確立することが期待される。
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Research Products
(15 results)