2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA上で一次構造を制御した導電性高分子の合成および単一分子の電気特性測定
Project/Area Number |
08J02984
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 あや Hokkaido University, 電子科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 核酸 / DNAポリメラーゼ / 修飾核酸 / 導電性高分子 |
Research Abstract |
剛直なひも状構造・高い分子認識機能を有するDNAを鋳型分子として、ナノスケールの電子デバイスの構築を目指した機能性ナノ細線の作製が盛んに研究されている。これまでに塩基配列がデザインされたブロックコポリマー型の長鎖DNAを生体高分子の一種であるDNAポリメラーゼを用いて合成し、塩基配列に選択的なプラチナの析出に成功した。 今年度はDNAを鋳型にした導電性高分子の合成を目指し、核酸塩基に導電性高分子のモノマーを修飾したデオキシヌクレオチド三リン酸の合成、およびその酸化重合を行い各化合物の物性評価を行った。導電性高分子のモノマーであるピロールまたはチオフェンをアルキルリンカーを介してデオキシウリジンのC5位に修飾することに成功した。その後、酵素反応の基質とするために三リン酸化することに成功した。合成したデオキシヌクレオチド三リン酸の水溶液に塩化鉄水溶液を加えて酸化重合を行い、それぞれの導伝性をサイクリック・ボルンタメトリーによって測定した。その結果、ピロールとチオフェンが交互に配列したポリマー構造の導伝度が最も優れていることを明らかにした。この結果は、2種類の核酸塩基にピロールとチオールをそれぞれ修飾し、酵素反応によってDNA上に交互に配列させることによって優れた導電性を示す導電性ナノワイヤーの重合が可能になることを示している。合成したデオキシヌクレオチド三リン酸を基質としたDNAポリメラーゼによる酵素重合を検討し、DNA上での導電性高分子の重合および基板上での物性評価を行うことによって、これまで困難だった重合度および配列の制御された単一導電性高分子の物性評価が可能になると期待される。
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Research Products
(2 results)