2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳ガン患者のQOL向上を目指した乳房組織構築のためのヒドロゲルの開発
Project/Area Number |
08J03020
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大串 裕子 Kyushu University, 工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハイドロゲル / 酵素 / カルボキシメチルセルロース / 脂肪組織再建 / 脂肪組織由来幹細胞 |
Research Abstract |
当該特別研究員は、上記研究課題に精力的に取り組み、本年度の研究実施計画2項目のうち2項目を達成した。具体的には、1つめの項目として、本研究で開発したフェノール性水酸基含有カルボキシメチルセルロース(CMC-Ph)ゲルの内部にラット脂肪組織由来幹細胞(ASCs)を固定して培養し、細胞がゲル内部で増殖できる条件の探索を行い、CMC-Phゲル内部で細胞が増殖可能であることを実証した。また、同様にCMC-Phゲル内部にASCsを固定して培養を行い、さらに脂肪細胞への分化を誘導することにより、生体外において脂肪組織とASCsから構成される組織体を構築することに成功した。2つめの項目としてあげた、生体内における脂肪組織体の構築については、ASCsを塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)を含むCMC-Phゲル内部に包括して移植することで、生体内において、血管組織を有する脂肪組織体を構築することに成功した。また、ASCsおよびbFGFを包括したCMC-Phゲルの脂肪組織構築における有効性を示した。以上のことから、研究実施計画の全検討項目を達成することができ、当該年度において研究は期待通り進展したと評価できる。
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Research Products
(4 results)