2008 Fiscal Year Annual Research Report
シスタチオニンγ-シンターゼ遺伝子の新生ポリペプチドによる翻訳伸長停止機構の研究
Project/Area Number |
08J03032
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾上 典之 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シロイヌナズナ / 翻訳制御 / リボソームタンパク質L4 / S-アデノシルメチオニン |
Research Abstract |
1.MTO1ペプチドの作用機構の解明:MTO1ペプチド中にUVクロスリンク能を持つアジドチロシンを導入して,MTO1ペプチドと相互作用する因子を解析した.その結果,MTO1ペプチドが約20kDaの因子と相互作用することが明らかとなった.この因子を同定することで,MTO1ペプチドの作用機構の解明に向けて大きく前進すると期待されるので,これは重要な成果である. 2.S-アデノシルメチオニン(SAM)の作用機構の解明:SAMと相互作用する因子をUVクロスリンク法を用いて解析するために,自ら[^<35>S]SAMを調製する必要があった.そこで,高熱耐性菌のSAM合成酵素を大腸菌に発現させて,これを用いることにした.これまでに,大腸菌でのSAM合成酵素の大量発現に成功した.したがって,[^<35>S]SAMを調製する準備が整ったので,来年度には[^<35>S]SAMを用いてSAMと相互作用する因子を解析する.SAMと相互作用する因子が明らかとなれば,翻訳アレスト機構の解明に大きく貢献することができる. 3.リボソームタンパク質L4(RPL4)の翻訳アレストへの関与の検証:CGS1遺伝子における翻訳アレストへのRPL4の関与を解析するために,変異型RPL4を持つ形質転換シロイヌナズナを作出した.この形質転換体でのCGS1遺伝子の翻訳アレストの解析にはまだ至っていないが,今後の解析により翻訳アレストへのRPL4の関与を解明できると考えている. 以上,CGS1遺伝子の翻訳アレストに重要な因子である,MTO1ペプチドとSAMの作用機構の解明につながる成果を今年度は主にあげることができた.
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Research Products
(3 results)