2009 Fiscal Year Annual Research Report
インドール系複素環化合物の高効率的合成法の開発と応用
Project/Area Number |
08J03047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井貫 晋輔 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Pachastrissamine / 海洋天然アルカロイド / 抗腫瘍活性 / スフィンゴシン誘導体 / ブロモアレン / プロパルギル化合物 / パラジウム触媒 / 短工程全合成 |
Research Abstract |
Jaspine Bは沖縄近海に生息する海綿から単離された海洋天然アルカロイドであり、様々なガン細胞株に対してμM以下の濃度で抗腫瘍活性を示す。Jaspine Bはテトラヒドロフラン環、長鎖アルキル基を有するスフィンゴシン誘導体であり、テトラヒドロフラン環上に3連続不斉中心を有する。この高度に官能基化されたテトラヒドロフラン環を効率的に合成することが合成上の重要な課題である。報告者はベンゾイルアミドを有するブロモアレン、プロパルギル化合物を基質としたパラジウム触媒による連続環化反応によって立体選択的にテトラヒドロフラン環を構築することを計画した。基質となるブロモアレン、プロパルギルカルボナートはGarner's aldehydeよりそれぞれ6工程、4工程で合成した。パラジウム触媒を用いて種々検討を行ったところ、ブロモアレンを基質とした場合、収率89%で目的官能基を有するテトラヒドロフラン環を得ることができた。またプロパルギルカルボナートを基質とした場合、目的のテトラヒドロフラン環を69%で合成することができた。これらの環化反応を鍵反応として、さらなる官能基変換によりjaspine Bの全合成を達成した。ブロモアレンを用いた経路では合成経路終盤に長鎖アルキル基を導入するため、様々なアルキル基を有する誘導体の効率的な合成が可能である。一方、プロパルギルカルボナートを基質とした経路では短工程で全合成を達成することができた(7工程、26%)。また、パラジウム触媒を用いたプロパルギル化合物の環化反応において、脱離基と求核部位の相対立体配置によって連続環化の反応性が異なることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)