2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J03051
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 慎子 北海道大学, 大学院・農学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | バキュロウイルス / 多角体タンパク質 / 遺伝子間ネットワーク解析 |
Research Abstract |
主に昆虫を宿主とするバキュロウイルスの多角体タンパク質は、感染細胞の総タンパク質の50%を占める程大量に産生されるが、その高効率なタンパク質発現能を利用したバキュロウイルス発現系、特にカイコ個体とBmNPVを用いた発現系は、現在、真核細胞での最も効率の良いタンパク質発現系の一つとして知られている。この爆発的発現は、単独ではなく、様々なウイルス遺伝子が相互作用することで起こることが示唆されているが、その詳細は不明である。よって、爆発的発現を可能にしているメカニズムの解明には、それに関わる遺伝子間ネットワーク解析を行う必要性がある。本研究では、バキュロウイルスの多角体タンパク質遺伝子(po1h)高発現能に関わるウイルス遺伝子の特定を行い、それらが作り上げているネットワークを明らかにする。そして、個々の構成遺伝子単位ではなく、Po1h高発現支援ネットワーク自体を抽出利用する技術を確立することを目的としている。そのためにまず、逆遺伝学的手法を用いて標的遺伝子の探索を行った。全塩基配列が判明しているBmNPV(T3標準株)を用いて、本研究室において既に確立したbacmidシステムによりウイルス遺伝子(141個)をそれぞれノックアウトし、Po1hの発現量をGFPの蛍光量で検出できるように改変した組換えウイルスDNAを得た。昆虫細胞への遺伝子導入による性状調査の結果から、47個の遺伝子はウイルス増殖に必須で、そのうち10個がPo1h発現に必須であることが明らかになった。一方で、欠損させることでウイルス増殖速度や産生量が減少するあるいは増加する遺伝子も認められ、さらに欠失させてもウイルス増殖には影響しないが、Po1h発現に大きく影響する遺伝子が8個認められた。以上のノックアウトbacmidライブラリーの作製とそれらの性状解析により、システム生物学を基に網羅的な大規模解析を行うための研究基盤が構築された。
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Research Products
(2 results)