| Research Abstract |
本研究の目的は,コンテンツ産業の一つであるアニメーション産業を取り上げ,アニメーション産業の大都市集積という立地傾向について,その要因を明らかにすることにある。
この目的を達するために,本年度は韓国ソウル,中国上海を中心としたフィールド調査を実施した。フィールド調査は5月に韓国,6月に中国において実施した。調査の具体的内容は,アニメーション制作企業を対象とした聞き取り調査,労働者を対象としたアンケート調査であった。
これらのフィールド調査を経て,本年度の研究実施計画における,目標であった博士論文執筆に足る実証データの収集を完了した。加えて,アンケート調査の成果を基に,国内外の学会において4件の発表をした。また国内学会誌において1件の査読付き論文が受理された。これらの業績により,調査の成果が公表された。
また研究実施計画に則り,これまでの研究蓄積を基とした博士論文『東京,ソウル,上海におけるアニメーション産業の集積メカニズムに関する地理学的研究』を執筆し,東北大学に提出した。提出した博士論文は3月に受理された。この論文により,東アジア主要都市である東京,ソウル,上海におけるアニメーション産業の大都市への集積という立地傾向について,いずれの都市においても見られる普遍的な構造,特定の都市において見られる地域的な構造が明らかとなった。このように,アニメーション産業の大都市への集積を導く要因とメカニズムが実証された。
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